不動産投資に取り組むと、毎年の所得税や住民税を軽減することができ、また相続や贈与の際の税金も軽減することができる場合があります。
以下では、不動産投資が節税に繋がる仕組みや、シミュレーション方法、注意点について詳しく説明します。
不動産投資は節税になる
「将来のために貯蓄をしたいけれど、税金が多くて思ったように貯金できない」というお悩みをお持ちの方は、多くいらっしゃるかもしれませんね。
日本では、累進課税というシステムが採用されており、所得が増えると所得税や住民税などの支払いも増えてしまうため、収入が増えても手取りや貯金が比例して増えないことを感じることもあります。
そんな所得が高く、税金による支出が多い方には、節税の方法の一つとして「不動産投資」が注目されています。
不動産投資とは、マンションのオーナーとして部屋を貸し出すだけでなく、一定期間所有していた不動産を売却することで利益を得る投資方法です。
この方法には節税効果が期待できるだけでなく、入居者がいれば安定した収入を得ることができ、中古物件として売却することでまとまった売却益を得ることも可能です。
また、不動産投資は、専業投資家だけでなく、サラリーマンなどメインの収入源を持っている人にとっても副業として取り組みやすい投資方法です。
なぜなら、不動産価値は相場の変動が緩やかであることや、部屋の管理業務を不動産会社に依頼することができるため、比較的手間がかからないからです。
さらに、不動産投資により、年間の所得に対する税金の額を減らす効果も期待できます。
この記事では、主に不動産投資における節税効果に焦点を当てて、税金の項目や、税金のシミュレーション方法、不動産投資を始める際に意識すべきポイントなどを詳しく解説していきます。
不動産投資の税金対策
不動産投資による税金対策の一つの方法は、相続税の軽減です。
相続が発生し、一定の金額以上の財産を相続する場合、相続税が課税されます。
現預金を相続した場合には、その金額がそのまま相続税の評価額となりますが、不動産を相続すると、不動産評価額が現預金よりも低く評価され、相続税の額が減少します。
このため、不動産を所有することで資産価値の減少を図り、相続税の対策になると言えます。
損益通算を利用した所得税の還付
もう一つの税金対策として、損益通算を利用した所得税の還付があります。
不動産に投資する過程で初期費用や維持費などでマイナスの収支が発生した場合でも、このマイナス額は給与所得と通算することができます。
給与所得と不動産所得はどちらも所得税の対象となりますが、給与所得は勤務先から源泉徴収されるため毎月給料から税金が引かれています。
一方、不動産所得は自分で確定申告を行い、所得税を納税する必要があります。
所得税は累進課税なので、所得額が増えれば税率も高くなりますが、不動産投資によるマイナス収支を通算することで、所得税額が減少し還付される可能性があります。
不動産投資による税金対策のメリット
不動産投資による税金対策のメリットとしては、相続税の軽減や所得税の還付が挙げられます。
これにより、資産を増やすための投資をしながら、税金の負担を軽減することができます。
ただし、不動産投資にはデメリットもあります。
例えば、物件の購入や管理には一定の手間とコストがかかります。
また、不動産市場の変動によっては、資産の評価額が下落するリスクもあります。
さらに、不動産による税金の対策は一つの手段であるため、個々の状況に応じた適切な税務処理が必要です。
なお、税金対策以外にも、不動産投資には収益を得る可能性や資産の分散効果など、さまざまなメリットが存在します。
自身の資産運用や将来の生活設計に合わせて、慎重に考えてみてください。
不動産所得の確定申告のメリットと住民税の関係
不動産所得の確定申告を行うことで、家賃収入から必要経費を差し引いて所得税を計算します。
もし赤字になっても、給与所得と合算して確定申告を行うことで、源泉徴収された所得税の還付を受けることができます。
また、確定申告が行われた後には税務署から市区町村への情報提供が自動的に行われるため、住民税の確定申告は必要ありません。
さらに、所得税が減免されれば、住民税も減免されるため、二重の節税効果が得られます。
不動産投資におけるデメリット
不動産投資は節税の手段としてメリットがある一方で、デメリットも存在します。
個人所得の税率は最大で55%となっており、収益物件にローンを組んでいる場合、負担が非常に大きく感じられるかもしれません。
また、不動産投資の利回りは一般的に10%や15%と言われていますが、これは常に入居者が満室の状態を想定した目安であり、必要経費などは考慮されていません。
実際には利回りはより低い場合も多く、目先の利回りに過度に注目しすぎないことが重要です。
さらに、日本は人口が減少傾向にあるため、需要が減少すれば入居者を獲得するのが難しくなります。
そのため、不動産投資では空室を出さないことが非常に重要です。
空室が生じると、家賃収入には空白期間が生じるだけでなく、次の入居者募集や修繕、契約手続きなどの費用や手間がかかるからです。
売却する際にも買い手が見つからない可能性もあるため、慎重な判断が必要です。
賃貸の需要を見極めた物件選びが重要
不動産投資をする際には、将来の家賃相場に注意しながら物件を選ぶことが重要です。
なぜなら、需要があるエリアであれば、将来的にも安定した収益が期待できるからです。
したがって、物件を選ぶ際には、需要が高いエリアや求められている物件の特徴を把握する必要があります。
また、売却を考えている場合は、将来的な需要を見越して物件選びを行うことも重要です。
不動産投資で税金対策につながると良いことがたくさんあるが、デメリットもある
不動産投資を行うと、税金対策の面でもメリットがあります。
具体的には、不動産から毎月の不労収入が得られることや、税金の面でも優遇措置があるため、経済的なメリットが得られることがあります。
しかし、一方でデメリットも存在します。
たとえば、物件選びに失敗して需要が低い地域に投資をしてしまった場合、収益が見込めず投資が失敗してしまう可能性があります。
したがって、収益物件を選ぶ際には、需要がある地域や条件をよく考慮し、慎重な判断を行うことが重要です。
まとめ
不動産投資を行う上で、最終的な目標となるのが売却です。
売却を考えている場合、物件選びはさらに慎重に行う必要があります。
なぜなら、将来的な需要やマーケットの状況を考慮して、投資が成功するかどうかが決まるからです。
したがって、売却を見据えた場合には、需要が高く将来の成長性が見込まれるエリアや物件を選ぶことが重要です。
また、需要のある物件であることや、競争力のある価格設定が求められます。
売却を成功させるためには、物件選びに時間をかけ、様々な要素を考慮しながら慎重に進めることが必要です。