不動産投資初心者の方が物件を探す際に注意すべきポイントは、「利回り」です。
利回りは、不動産に投資した場合に得られる収益の割合を示しています。
「できるだけ高利回りの物件を購入したい」と考えるのは、当然のことです。
しかし、不動産投資では他の投資商品とは異なり、利回りだけを重視することは適切ではありません。
実際に利回りは、信頼性に欠けることが多いです。
不動産投資において、利回りがあてにならない理由はいくつかあります。
まず、業者の中には、お客様の利益よりも物件の売却に重点を置いているところがあります。
そのため、利回りという言葉は実際の収益性を反映していないことがあります。
また、利回りの計算方法には複数のパターンがあり、どの計算方法を用いるかによって結果が異なることもあります。
さらに、物件の将来的な需要や市場の変動など、利回りには予測不可能な要素が含まれています。
したがって、不動産投資を判断する際には、利回りだけでなく、他の要素も考慮する必要があります。
具体的には、物件の立地条件や周辺環境、賃料相場や需要の動向、将来の成長性などが重要な要素です。
また、投資家自身の資金状況や目標利益、リスク許容度も考慮する必要があります。
これらの情報を総合的に分析し、バランスを考えながら物件を選ぶことが重要です。
最終的には、自身の投資戦略や目標に合った物件を選ぶことが重要です。
例えば、高利回りを求める場合はリスクも高くなることがありますし、安定した収益を得たい場合は低利回りでも魅力的な物件が存在するかもしれません。
自身のニーズや投資戦略に合った物件を選ぶことが、不動産投資の成功の鍵となります。
また、物件選びには専門家のアドバイスも活用することをおすすめします。
不動産投資の利回りとは
まずは「利回りとは何か?」について詳しくお話しいたします。
利回りとは、投資した金額に対してどのくらい収益が得られるかを示す指標であります。
しかし、不動産投資においては単純に「投資額」と「収益」だけで利回りを測ることはできません。
他にも多くの要素が関係しております。
そのため、利回りという概念自体が必ずしも適用されるわけではないのです。
それなのに、「利回り」という言葉が使われている理由は何でしょうか。
これには業者側が利回りを使用する理由があります。
不動産投資においては、利回りはあまり信頼性が高い指標ではありません。
しかし、それでも利回りという表現を用いるのは、単に業者が物件を売りやすくするためなのです。
業者の仕事は物件を売ることです。
物件を売るためには、わかりやすい指標が必要となります。
そこで、「利回り◯◯%」という指標が使われるのです。
つまり、業者は信頼性の低い数字であることを承知しながらも、物件を売りやすくするために利回りを用いているのです。
実際には、利回りには「表面利回り(グロス利回り)」と「実質利回り(ネット利回り)」という2種類が存在します。
少なくともどちらか一方でも正確な指標となればよいのですが、残念ながら両方とも信頼性に欠けるのです。
その理由についてもお話いたします。
表面利回りがあてにならない理由
表面利回りがあてにならない理由は、物件の利回りを偽装できるからです。
表面利回りは、物件の年間家賃収入と物件の購入価格を使って計算する公式で算出されます。
この公式から分かるように、家賃収入を高く見せるためには、売主が家賃を高く設定することができます。
また、満室想定の家賃という条件で計算されるため、実際の物件の状況とは異なる場合もあります。
新築物件でも、売主が早く売却するために家賃を上げることができます。
しかし、中古物件の場合は空室率が高くなる可能性もありますし、実際に利益を得られないこともあります。
それにもかかわらず、表面利回りでは満室想定で計算されるため、実際の利回りとは異なる数字が示されることがあります。
実質利回りがあてにならない理由
実質利回りもあてにならない理由があります。
実質利回りは、表面利回りに物件の経費を考慮した計算を加えたものです。
経費には、管理費や修繕積立金、税金などが含まれます。
実際の利益を計算するためには、これらの経費も考慮する必要があります。
しかし、経費の計算方法や金額は物件ごとに異なるため、業者によっては経費を少なく見積もる場合や説明を省略する場合もあります。
そのため、実質利回りも表面利回りと同様に信頼性に欠ける数値となることがあります。
以上、表面利回りと実質利回りがあてにならない理由についてご説明しました。
不動産の投資を考える際には、これらの利回り数値だけでなく、物件の実際の状況や将来の見込み、リスクなどを総合的に考慮することが重要です。
不動産投資のリスクと空室率
ただし、不動産投資には空室という状況が発生するため、その点でもあてにならないのです。
空室の期間は予測できませんし、1ヶ月や10ヶ月など、全く予想がつきません。
特に地方の一棟マンションでは、半年以上も空室が続くことがしょっちゅうあります。
さらに、空室が多ければ多いほど、入居者を募るために広告費や改装費などの費用もかかります。
したがって、実際のキャッシュフローと想定していた利回りとは差が生じることが明確です。
さらに、この差については誰にも予知することができないのです。
こういった点に関して疑問を抱く方が多いかもしれません。
「不動産投資そのものが不利なの?」、「物件を選ぶ際には何を重視すべき?」と思われるでしょう。
では、次にどのような指標で物件を選ぶべきかについて説明します。
不動産投資は東京・大阪・名古屋の三大都市と横浜・川崎エリア
不動産投資の種類とオススメの物件
不動産投資というと、さまざまな種類の物件が存在します。
例えば、「マンションとアパート」「区分と一棟」「都市部と地方」「ワンルームとファミリータイプ」などです。
さて、そんな中でどのタイプの物件を購入するべきか考えると、私たちのオススメは東京・大阪・名古屋の三大都市と、横浜・川崎エリアにあるワンルームマンションです。
なぜなのか、その理由を詳しく説明します。
このエリアと物件タイプがオススメな理由は、まずそのリスクが圧倒的に低いからです。
日本の人口は今後減少していくことが確実ですが、これらのエリアは人口が多く、需要が安定しています。
また、一棟所有すればリターンが高くなると思われがちですが、そこには「満室であれば」という条件がつきます。
一棟マンションには長期的な空室リスクや大量の空室リスク、そして大規模修繕にかかる費用、資産価値の下落といったリスクが伴います。
実際に、おすすめエリア以外の地方の一棟マンションでは、「買った瞬間に購入価格の半分程の資産価値しかなくなってしまう」ということがあるのです。
例えば、1億円で購入した物件が、購入時点ですでに5000万円の価値しかない、ということも珍しくありません。
その根底にある理由は、不動産の価値がどう評価されるか、という点です。
不動産の価値は立地に大きく依存しています。
立地が全てと言っても過言ではありません。
それを踏まえると、地方の一棟マンションが建てられている場所について考えてみましょう。
多くの場合、安価な土地で需要があるから建てられているのではなく、供給ベースで建てられていることが多いです。
一棟マンションが供給ベースになる理由は、地主が自身の空き地を活用するためや節税効果を狙って建築されるからです。
新築のワンルームマンションの資産価値が安定する理由
日本の主要な都市や横浜・川崎エリアでは、需要に応じてワンルームマンションが建設されています。
このため、需要に基づいて建設されているため、基本的には資産価値が急激に低下することは考えにくいです。
特に新築のワンルームマンションは、販売価格が相場に基づいて設定されています。
利益以外の費用が組み込まれていれば、早々に明らかになってしまいますし、明らかに相場より高い価格設定の物件は売れないため、開発業者もそういったことは行いません。
一方、安い土地に建てられる地方の中古一棟マンションの場合は異なります。
通常、物件の本来の価値に加えて、修繕費用や家賃保証費用など、本来の価値以外の費用が含まれています。
例えば、「リノベーションして満室にしてから販売する」というケースが多いです。
購入者は、魅力的なリノベーションと満室の状態を考えるかもしれませんが、実際にはリノベーションにかかる費用や満室状態を維持するための家賃保証費用が、元々の販売価格に含まれています。
そのため、販売価格は高いですが、実際の資産価値は低くなります。
以上の理由から、新築のワンルームマンションは、主要都市や横浜・川崎エリアにおいて安定した資産価値を維持することができます。
供給ではなく需要に基づいて建設されているため、需要が見込まれる市場での建設です。
大都市圏(東京・大阪・名古屋と横浜・川崎エリア)の投資
東京・大阪・名古屋の三大都市と、横浜・川崎エリアのワンルームマンションについてより詳しく見ていきましょう。
資産価値が下がらない物件か資産価値が上がる物件を選ぶ
おすすめしているエリアのワンルームマンションは、将来的な査定価格を考慮すると、10年後や20年後に価値が下がることはほとんどありません。
実際には、むしろ価値が上がることさえあります。
もし価値が下がる場合でも、地方の物件のように急激に価値が半分になったり、購入時の2〜3割程度になってしまうことは心配ありません。
最大でも価値の1割程度の下落に留まります。
もし空室が生じた場合は、この数字が当てはまらないかもしれません。
しかし、その心配を払拭するためにも、三大都市(東京・大阪・名古屋)や横浜・川崎エリアを選択していただきたいのです。
これらのエリアでは、需要が供給を上回っているために物件が建設されています。
つまり、空室の心配があるような場所にはマンションは建てられていません。
退去者が出た場合でも、新たな入居者がすぐに見つかりやすいため、満室での収益計算が容易です。
需要のあるエリアのワンルームマンションは、家賃収入と支払いのバランスが崩れることはありません。
なので、資産価値も下落しません。
現在の日本において、このような条件が揃っているのは、東京・大阪・名古屋の三大都市と横浜・川崎エリアだけです。
まとめ
不動産投資において、利回りだけで物件を選んでしまうと失敗する可能性が高いことがわかりました。
重要な判断指標は、安定性です。
つまり、資産価値が下落しないかどうかを見極める必要があります。
私がご紹介したように、東京・大阪・名古屋の三大都市と横浜・川崎エリアは、物件の販売価格と資産価値がほぼ同じであるだけでなく、長い期間を経て資産価値が上昇することもあります。
したがって、不動産投資で失敗しないためには、「高利回り」という言葉に惑わされずに検討することが重要です。
これは、不動産業者が利益を得るために利用する手段です。
加えて、人口減少が進む日本の将来を考えると、不動産投資による資産形成を検討する場合、東京・大阪・名古屋の三大都市や横浜・川崎エリアのワンルームマンションに絞って検討することをおすすめします。